2013年02月15日

やはり『ネーミングとマーケティング』


   ~ 島根県松江市から宍道湖沿いに出雲市、出雲大社へと通じる

     「バタデン」こと一畑電鉄。路線のほぼ中間に位置する

     雲州平田駅を降りて少し歩くと、ゴリラのイラストが描かれた

     大きな看板が目に飛び込んでくる。ここが、「笑撃的」な

     ネーミングで全国の動物園を席巻した、岡伊三郎商店の本社だ。 ~

 
   
  < 累計300万袋売れた「ゴリラの鼻くそ」 >


  「これ、ゴリラの鼻くそに見えないか?!」

  すべては、この一言から始まった。

  島根県出雲市で豆菓子の製造販売を手掛ける(有)岡伊三郎商店の岡社長は

  シワのある黒豆薄甘納豆を見た友人の呟きを聞いて「商品名はこれしかない!!」

  と確信した。
  

  今からから10年前のこと。

  落ち込む一方だった家業の酒屋の売上を補う新たな収入源として黒豆薄甘納豆を

  販売しようと思い立ち、知人にネーミングのアイデアを相談していた時のこと

  だった。大抵は、「黒豆君」や「黒豆美人」など平凡な案ばかりだったが、冒頭の

  何気ない一言に閃くものがあった。「じゃあそれをどこで売る?ゴリラ、ゴリラ…。

  そうか、動物園だ!!」周りの人は「ふざけているのか」「うれるわけない」と

  否定的だったが、岡社長の決断は揺るがなかった。商品化して動物園に営業に

  行くと「これは面白い!」と売店に置いてくれるケースが続出。現在では、

  全国各地の動物園のお土産品として定着している。「このアイデアを人に話すと、

  必ず『ゴリラの鼻くそを見たことあるの?!』と突っ込まれます。しかし、実物とは

  関係なく、あくまで『もしあったとしたらこんな感じだろうな~』という感性、

  ユーモアの問題。だから下品な感じがしても、これはギリギリセーフなんです。」

  その証拠に「ゴリラの鼻くそ」は2001年の販売当初から大ヒット商品となり、

  動物園のお土産品としては異例の累計300万袋を突破。今でも売れ続ける

  ロングセラー商品となっている。



  < 「ボスジャン販促」で売上を7倍に >
  

 同店の創業は明治時代。初代岡伊三郎が菓子の卸売業として創業し、地元では有名な

 老舗だったが、1980年代から業績が落ち込むと酒屋へと転業した。岡社長は1978年に

 東京の大学を卒業。その後、父親の他界にともない出雲に戻って1988年に酒屋を

 継ぐと、3年で売上を約7倍に伸ばしたという。その秘訣は独自の販促方法にあった。

 岡社長はまず、自宅に併設していた店舗を郊外に移した。当時酒屋といえば顧客の家まで

 配達するのが常識だったが、個人店だと負担が大きいため、車で来客してもらうことで

 少人数でも対応できる体制を整えたのだ。集客方法もユニークだ。当時一定額以上の

 買い物をした顧客にティッシュなどの粗品をオマケとして付ける販促手段が一般的だったが

 岡社長はその頃流行していた「ボスジャン」をオマケにしようと思い付いた。

 非売品であるボスジャンを入手するには、まず大量のコーヒーを仕入なければならない。

 そこで近所にいくつもあった建築工事現場に目を付け、自動販売機を設置。大量の

 缶コーヒーをさばくことで、多くのボスジャンを確保したのだ。ボスジャンとティッシュ

 では勝負にならない。同店にはボスジャン目当ての顧客が殺到し、売上が飛躍的に

 伸びたという。「私は絶対に人と同じことはやりたくない性格。他にも落語家を呼んで

 寄席をプロデュースするなど、人がやらない販促を常に考えていました。『ゴリラの

 鼻くそ』ももし同じような商品があったら止めていたでしょう」ところが1990年代

 後半になると、コンビニやディスカウントショップの台頭によって徐々に業績が低迷。

 2000年ごろには最盛期の約半分程度まで売上が落ちてしまった。打開策を練って

 いた岡社長は、妻の実家で作っている薄甘納豆に着目。これを上手に販売することで

 売上の回復を目指したのだ。



    < ネーミングとマーケティングが勝因 > 

 
 岡社長は、「ゴリラの鼻くそ」大ヒットの理由を、ネーミングとマーケティングで

 あると分析する。ネーミングについては、斬新でインパクトがあることは勿論、

 一見おいしいと思えない商品なのに、実際に食べてみるとおいしかったという

 意外性が重要だという。人は良い意味で期待を裏切られた時が一番印象に残るからだ。

 マーケティングは、そもそも競合する土産物が少ない動物園をターゲットに絞ったこと

 そこに入り込んだことが成功勝因の一つであることは間違えない。「商品名がユニーク

 だったから売れたと単純に考えている人が多いですが、販売先を絞り込んだことや

 パッケージなども要因のひとつです。」動物園の定番土産として今も安定した売上を

 維持している「ゴリラの鼻くそ」だが、同社では昨年から職人手作りの豆菓子

 「なつかしの岩納豆」を開発し、スーパーなどに販路を絞って販売。第2のヒットを

 狙っている。またコンビニに置く若者向け新製品も発売中だ。

 独動的なネーミングと、競合がいないマーケットに切り込むニッチ作戦。

 中小企業ならではの「鼻くそ商法」に、学ぶべき点は多い。



    … 「ゴリラの鼻クソ」…私も動物園で手にした一人でした目 …


      上記の記事を当所の税理士:名古屋

      のホームページにて紹介させていただいたところ、

      前述の 岡 伊三郎商店の岡社長より、お礼のメールが!!!

      本当に嬉しく思い、感激しました。

      これから会社をつくって&個人事業で頑張ろうー!

      と考えている方への「ひと押し」になればと思い始めたのですが、

      HP担当までも、よし!がんばりましょうexclamation

      力が湧いてきたのです。

      「掲載する」という 一方的な矢印 ⇒  が、 
                      
                    何だか   ⇔ 繋がったようで…


      とっても小さな繋がりですが、大きな力になったみたいです。

      日常や仕事でも見逃さないよう、アンテナを高く・広くはっていきたいと

      感じた一件でした。晴れ

      

   
 
 
 
 
      
posted by なか at 10:24| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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